F5系

F5

ブロック・レスナーの必殺技。
気に入らない人間にはどうしてもこの技をかけたくなってしまうようだ。
レスナーはこの技を日本のプロレスビデオを見て思いつき、相手を回転させる様が竜巻に似ている事から最も激しい竜巻を表すという「F5」の名を付けた。

参考:F5画像ギャラリー


デビュー当初と比べると、残念ながら技自体の迫力は落ちているようだ。
初期は相手を旋回させてから後ろに倒れこむ形だったのが、ここしばらくは旋回と同時に後ろに倒れこむ形に変わったのが原因だろう。高さがなくなったのだ。

技の捌き方をかえた理由はおそらく、Aトレインやジョン・シナ、ポール・ヘイマンがこの技を食らって怪我をした(アングルではなく実際に)からだと思うが、本当のところはよく分からない。
HHHのぺディグリーも以前よりずっと落とし方が優しくなっているから、受身の難しい技は自粛するというWWEの方針なのかもしれない。


ちなみに私が一番迫力があったと思うF5は、WWE初登場時、メイベンにかました一発だ。何か物凄いDDTといった印象であった。
F5の受けの巧さという点では、マット・ハーディーも外せない。体をピンと伸ばし、叩きつけられるとスパーン!とイイ音がするのだ。


今でこそ竜巻をモチーフにしたとして有名なこのF5だが、ブロック・レスナーのWWEデビュー当初はネット上で「戦闘機の名前だ!」とか「パソコンのF5ボタンだ!」など、その由来に関して色々な仮説が出た。


大巨人式F5

現在世界で一番迫力のある必殺技。

自分より二回りも大きい225kgの大巨人(=ビッグショー)を持ち上げ、さらに振り回してしまうのだから凄い。その姿は凄いを通り越してファンタジックでさえある。

2003年の来日公演時に目の前で目撃したときの胸の高鳴りは忘れられない。純粋な感動をくれる、本当に純粋な技なのだ。

ただこの大巨人式F5は、レスナー自身にかかる負担も並ではなく、長期に渡った大巨人との抗争は、レスナーの膝や腰に確実にダメージを刻んでいった。

脇腹から相手を地面に叩きつける独特の捌きを身に着けてから、いっそう迫力が増した。ちなみに映像は初公開時のもの。


鉄柱式F5

F5の要領で相手の膝をコーナーポストに叩きつける技。更にその後固い床へモロに落下するのも忘れてはいけない。
カート・アングル、ジョン・シナ、ザック・ゴーウェンの例が示すように、この技をくらう事は即ち欠場を意味する。
ピンフォールを奪うためでは無く、相手に苦痛を呼ぶための技。そういう意味ではブロック・レスナーを体現しているムーブと言える。

写真を見ても分かる通り、レスナーはいつも南西側のコーナーポストを好んで用いる。もしかすると骨の折れる音が一番よく響くのが南西の鉄柱なのかもしれない。

※良い子は真似しないで下さい。


片足式F5

カート・アングルの必殺技アンクルロックによって左足を破壊されたブロック・レスナーが、苦肉の策として披露した一発。
残された右足でピョコピョコ飛び跳ねながら片足のみでF5を出して見せた。
しかしF5の持ち味である横方向への旋回力に欠けたため、カウント2で返されてしまった。

同系技として片足式ブレーンバスターがある(対エディー・ゲレロ戦で披露)。


F5返し

ブロック・レスナーに体格で劣る選手たちが苦心の末編み出した返し技。
F5の旋回力をうまく利用しスイングDDTへ繋げる。

F5の破壊力が高ければ高いほどレスナーに跳ね返るダメージは大きくなる。
古く日本では、このような技は「合気」と呼ばれた。小柄な日本人武術家が体格に勝る相手に打ち勝つための手段として大成させたのが、すなわち合気道である。

この返し技の使い手にはRVD、カート・アングル、エディー・ゲレロなどがいるが、中でも、力押しできる技に欠けたエディー・ゲレロが見せたF5返し(動画参照)は切れ味凄まじく、氏のWWE王座初戴冠への決め手となった。


垂直落下式F5

Aトレインを本当に殺しかけた変形F5。
観客に見せ付けるようにリング上を走り回りながらF5したら、Aトレインが頭からマットに刺さってしまった。2度とあってはならない邪技である。

落ちる際のイメージは タイガードライバー’91(注)
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[タイガードライバー’91]
プロレスリングNOAHの三沢光晴氏の持ち技。頭から落とす技を忌むWWEでは絶対に考えられないような危険ムーブである。
参考:Gif動画
(垂直落下式動画より)
に近い。

残念ながら動画が手元に無いので連続写真で我慢してもらいたい。
PLAYボタンを押すと動きます。


場外式F5

衝撃を全く吸収しない固い床の上でのF5。
一見幻の技のようなイメージがあるが、意外と 頻繁(注)
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覚えているだけでも
マット・ハーディー
トミー・ドリーマー
シェルトン・ベンジャミン
カート・アングル
ジェイミー・ノーブル
らが被害にあっている。
にお目にかかれる。

なおこの技の使用に際して常に付きまとっていたのが、受身の難しさの問題であった。リング上でのF5と同じ受け方では、膝の半月板を床に強く打ちつけ故障してしまうからだ。
F5受けのカリスマことマット・ハーディーは、腰を引きつま先から接地する事により膝へのダメージを軽減する受身を開発。 以降の手本となる。(注)
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シェルトン・ベンジャミンの場外F5受け
写真はシェルトン・ベンジャミンが場外式F5を受けている所。腰を引く「マット・ハーディー式」の受身であるのが分かる。
しかしながらこの受身には、腰が引けているため迫力に欠けるという短所があった。
そこでレスナーと長期抗争を続けていたカート・アングルが開発したのが、体の側面から接地する全く新しい発想の受身であった。これにより、腰を引くことなく膝へのダメージを抑える事が可能となった。リング上でのF5と同等の迫力を、場外で再現する事に成功したのである。
場外式F5図解考察
最後にひとつ。いかに受身技術が発展しようともこの場外式F5の破壊力が圧倒的であることに変わりは無い。試合中わざと場外式F5を放ち、カウントアウト勝ちを狙うのも有効な戦法である。


ジョーズ式F5

ジョーズ式F5

ビッグショー:
 220センチ、220キロ
 
ホオジロザメ:
 700センチ、1700キロ


本物の野生の前ではビッグショーとて所詮ヒトだという事を思い知らされるデータである。ちなみにこのサメへのF5を最後にレスナーはヒールターンし、地位欲や弱者虐待などの屈折した快楽を追い求めるようになる。サメさえ相手にならない自らの破壊力に気づき、純粋にヒトと戦い強さを求める事に対して絶望してしまった、と考えられなくも無い。

参考:サマースラム2003CM




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