

194センチ、120キロに僅か10%以下の体脂肪率しかない…一月の初めにビスマルク短大から我がミネソタ大のチームに編入してからというもの、この男はその外見だけで観衆と対戦相手の尊敬を得てしまった。
マット上での恐るべき姿からは予想もできないがこの男、意外に繊細な一面も持ち合わせている。
「ジャングルブックが好きなんだ。登場するサルやクマ、それに彼らの歌声が好きなんだよ。ずっとディズニーシリーズの大ファンでね、”キツネと猟犬”なんか特に気に入ってる。友情の物語でね、主人公達は二つの世界に引き裂かれても最後まで友情を保ち続けるんだよ。」
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ブロック・レスナーのこの純粋さは、幼少の頃から邪魔者をマットに沈め続けてきた男と同一人物のものとはとても思えない。

「俺の持ち技はたった一つ、ベアハグだけだった。長年使ううちにやがてそれは”ブロック・ロック”と呼ばれるようになり、俺はそのブロック・ロックで無数の敵からピンフォールを奪ってきたんだ。」
ある日レスナーは実家の農場の倉庫に手付かずのウェイト・セットがあるのを見つけると、倉庫を自分専用のトレーニング室に改造してしまった。
「夏場の倉庫は熱くて仕方なかったな。自分でウェイトを溶接して手製のバーベルを作って鍛えたよ。」

やがて高校2年の頃、ブロックはフットボール選手として某州立大への進学を内定し、州兵としてしばらく家を留守にする。このころはまだレスナーは自分のアマチュア・レスラーとしての真の価値に気付いていなかったのだ。
「人生について真剣に考え始めたのはちょうど州兵に参加したその頃だろうな。正しい人々や自分を大切にする事を学んだ。精神と肉体の両面で、大きく成長したよ。」
(注)このインタビュー自体がミネソタ州の運営するサイトによるものなので、少し州兵の事を持ち上げている様子。
「トレーニングで体が大きくなった分膝への負担が増えて、フットボールの試合中に怪我したんだ。レスリングのコーチにもフットボールの下位大学への進学を勧められたけど、結局レスリングへの情熱は捨てられるもんじゃなかった。で、ビスマルクの短大へ進学したんだ。そしてある大会でアマレスの名門ミネソタ大チームと対戦した。1−9でうちの短大は大敗したが、たった1つの勝ちは勿論俺がスコアしてやったんだ。で、まんまとミネソタ大の偉いさん方に気に入られてな、見事ミネソタ大への転校が決まったって訳さ。そこからはうなぎ登りで、第一部大学じゃランク外だった俺は、あっという間にランキング2位にまで躍り出た。」
リング上でも彼が同じパフォーマンスを発揮できるならあるいは、ディズニーファンのこの男がプロレス界を席巻する日も遠くないかもしれない。
「プロレスについてよく考えてみたよ。大人しく生きてくなんて俺にはできない。根っからの好戦家なのさ。」
終わり。

*雑感*
田舎町で家畜の世話をして育ったってだけでファンタジー物なのに、ジャングルブックが好きとは…一体この男、どこまで我々ファンの心を和ませてくれるのでしょうか。


